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とりあえずさいころを振ってみよう、すごろく。
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今日、犬の散歩の途中で、どこからか子猫の鳴き声がするなと思い来た道を振り返ると、どこから出てきたのか、まだ生まれて間もないくらい小さな子猫が道路真ん中にぽつんといました。
近くにおばさんがいたので、そのおばさんの猫かと思ったんですが、どうやら違うようで、すぐにその子猫はまた道路の真ん中に取り残されたように立っていました。
そこはそれほど車の通りが多いわけではないのですが、それでも皆無ではなく、なんだか心配になって見に行くと、どうやらその子猫は目が開いていない事に気付きました。
目やにが固まってしまっているようで、前が見えないようでした。
うちにはもう犬が一匹いるので連れて帰るわけにもいかず、せめて目やにをふき取って前が見えるようにしてやろうと、ちょうど持っていたティッシュと犬のおしっこを流す水で目やにをふき取りました。
なんとか左目は薄く開きましたが、私からは白目しか見えません。
右目はふき取ってもふき取っても目やにの汁なのか膿なのかわからないものが溢れてくるだけで、とうとう開きませんでした。
ああ、きっとこの子は目が見えない子なんだと。
誰かに捨てられたのか、それとも親猫と逸れてしまったのか。
あの道路の真ん中に出てくるまではどこにいて、あんな状態でどうやって道路に出てこれたのかは解りません。
少なくとも私がその道を通った数秒前までは、その猫はそこにはいませんでいた。
ともかく、私はその場で途方に暮れました。
このままその場を去れば、いつ車に轢かれてしまうか解りません。
何度道路の脇に寄せても、その子は道路の真ん中を目指します。
とうとう車が何台もやってきて、私はすぐ近くにあった公園にその子を連れて行きました。
まだ片手に乗るくらいの小さい身体で、それでも一生懸命声を上げて、地面に降ろしてやると目が見えないだろうにゆっくりと私の方へ寄ってきました。
本当は、連れて帰ってやるのが1番なんだろうとは思いました。
でもうちにはもう一匹犬がいますし、正直その子だけで手一杯です。
今の私には目が見えない病気かもしれないその子を世話してあげるだけの、精神的余裕も、時間的余裕も、ついでにいえば金銭的余裕もありませんでした。
動物の医療費がどれほど高額なのかは、以前飼っていた犬の闘病生活で思い知っていました。
たとえば考えたくはありませんが、それが現在うちにいる子のためなら、どれほど高額でも病院に通うでしょう。
でも病院通いが必要に違いない子を、今から受け入れる余裕は、今の私にはありませんでした。
だから、たとえば公園にいるたくさんの人の内の誰かが、この子を連れて帰ってくれるかもしれないと希望を抱きながら、私はよたよたと歩くその子をしばらく見ていた後、もやもやした気持ちを抱えながら公園を出ました。
でも本当は解ってたんですよね。
病気のその子を連れて帰ってくれる人が現れるかもしれない事が、どれくらい奇跡的な事なのか。
そしてそんな奇跡が起きない限り、目の見えない生まれて間もないその子が生き延びられる確立がどれくらい低いのかも。
それでも、どうしても私にはその子を連れて帰る決断が下せませんでした。
同情だけで命を背負い込む事は、今の私には出来ませんでした。
間違いなく反対するだろう家族を説得する自信もありませんでしたし、その子を連れて帰る事によって、今うちにいるわんこに悪影響がないかとも思いました。
そして私は、家に帰ってから、なんともいえない罪悪感と、見捨てたあの子が今どうしているのかという想い、両方を感じながら悶々としています。
暗い公園で独り、必死に声を上げているのかと思うと泣きたくなりますが、それでも迎えに行ってあげる決断が下せません。
そしてうちで幸せそうに眠っているわんこを見て、生まれた環境や状況が違うだけで、こんなにも人生は違ってくるんだなと改めて思いました。
こんな事をつらつらと書いて、読んでくださった方には嫌な思いをさせたり、悲しい気持ちにさせたりしてしまったかもしれません。
ごめんなさい。
それでも、せめて、こうして文章に残すことで、あの子猫が確かに生きていた事を証明したかったのかもしれません。
それこそ、私の自己満足に過ぎない事は重々承知していますが。
他力本願だという事も重々承知していますが、せめて、あの子猫が誰か優しい人に出会える奇跡を願って。

お付き合いくださった方、どうもありがとうございました。
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